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”もやもや”を伝えること、
気づくことの大切さって?

特別協賛企業の思いを聞いてみた!

株式会社ひろぎんホールディングス

「もやもや」を知り、
自ら変わることが
一番パワフルな変革

(執行役員 サステナビリティ統括部長 木下 麻子さん)

●今回、ジェンダー川柳コンテストにご協賛をいただいた理由は?

家庭と仕事の両立支援にかかる制度構築や、多様性に関する研修実施など、多様な人材が活躍できる社会を創るための組織的な動きは進んできていると思いますが、一番難しいのはやっぱり心、個人の意識だと思っています。

私はダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを担当していますので、管理職向け研修等で「性別問わず活躍の機会を提供してください」とか「こういう発言に気を付けてください」などといったお話しをする機会が多いのですが、本当は皆さんそんなこと人に言われたくないのではないかと感じています。

誰かに「こうしなければいけない」と教わるよりも、それぞれが、周囲の人たちはどんなことで「もやもや」しているのかを知ることによって、「知らず知らずのうちに決めつけてたな」とか「そんなつもりじゃなかったけど、そういう風に感じるんだな」といったことに気づいて、自ら変わっていくことが一番パワフルな変革ではないか思っています。

そういった中で、このジェンダー川柳コンテストの「もやもやを届ける」というコンセプトに非常に共感しました。川柳によって誰かを変えようとしている訳ではなく、発せられた「もやもや」をどういう風に受け止めるかは相手に委ねられていて、そこから各自が気づいて、結果として行動が変わるという流れが素晴らしいと思っています。

「もやもや」を知れば皆さん望んで変わっていくと思っていますし、それを後押しする機会となるこのコンテストに協力をしたいと思ったのが協賛した理由です。

●(株)ひろぎんホールディングスとしてジェンダーギャップ解消に取り組むことの意義は?

大きく2つあると思っています。まず1つめは、私たちのお客さまは、性別や社会で担っている役割等も多様ですので、ニーズに応えていくためには、我々の意思決定ボードも多様であらねばならないと思っています。しかし、当社グループでも女性の管理職比率、マネジメント職比率はまだ決して高くない状況で、そこを変えていくためには本質的なジェンダーギャップの解消だったりとか、ジェンダーに関する思い込みをなくしていく必要があります。

2つめは、「全員活躍」実現のためです。「全員活躍」とは、性別、職位、年齢、国籍、趣向性などに関係なく、一人一人が持っているポテンシャルが最大限発揮されている状態を指しています。

当社グループの中では、性別による固定的な役割意識が一番の課題だと認識していますので、それを解消することによって「全員活躍」に近づくと思っています。

●ジェンダーギャップ解消に向けて(株)ひろぎんホールディングス として取り組んでいることはありますか?

男性の働き方と女性の働き方のギャップをできるだけ解消するよう、育児休業や短時間勤務の制度を進化させていっています。男性は仕事で無理しすぎて、女性は家庭で無理しすぎるといったことがないような社会を創っていきたいというのが制度設計上の基本的な考えです。

例えば、弊社では最長で2年取得できる育児休業制度を設けており取得に性別の区別はありませんが、男性が積極的に取得する機運がなかなか生まれなかったため、2つの選択肢を用意しました。原則1か月程度の集中育児期間を設けることが基本でして、その手法として①1ヶ月程度まとめて育児休業を取る ②5日間の育児休業+1か月以上の短時間勤務をセットで取る という2つの選択肢を推奨パターンとして示したのです。

その結果、これまで男性で短時間勤務を取得する人はほとんどいなかったのですが、昨年1年だけでも30名以上が取得しました。また、女性が「マミートラック(育児中の女性が長期間仕事をセーブすることでやりがいのある仕事から遠のいてしまう事象)」にはまってしまわないように、女性の短時間勤務に関しては「細切れ取得」を促進しています。制度としては、「小学校6年生まで通算5年半」使えるようにしており、本当に必要な時に利用し、キャリアもあきらめない・・・という両立支援を目指しています。

こうしたことを自社で取り組んでまいりましたが、もっと踏み込んだ風土改革には、1社の力では足りないと考え、2024年度からマツダ・中国電力・広島県庁と共に「はたフル」という取組を開始しています。

地域一体となって、誰もが
働きやすい
環境づくりを
進めたい

●「はたフル」は、どんな取組ですか?

「はたフル」は、「旗振り」と「働く」と「カラフル」の言葉をかけた名称です。広島県の人口転出超過の解消に向けて、「地域の旗振り役となるカラフルで魅力的な働く場を創出する」ことを目的に、各社から総勢30~40名が参加して「どういう職場環境だったら働きたいと思えるか?働き続けたいと思えるか?」を考えるグループワークを実施しています。

グループワークは5月から毎月実施しており、例えば、転出超過のデータや各社の抱えている問題意識を共有したり、UIターン者や県外に進学した地元出身学生へのヒアリングを通じて広島県の良いところ悪いところを分析し、理想の広島の職場について議論してきました。

●他社と一緒に取り組む理由は?

県内企業が一体となって魅力的な職場づくりをすれば、本当に広島県全体が誰にとっても働きやすい地域となり、転出超過問題の解消につなげられると思ったからです。本コンテストに絡む観点から言えば、社内の風土は中からでは変えられないと考えたからでもあります。社内の風土を変えるためには、社外からの視点を取り込むことが効果的ですが、各社でたくさん中途採用できるわけでもないですし、中途採用者自身、入社当初は違和感を持っていたとしても、少数ではだんだん風土に染まっていくものだと思っています。であれば、他社と手を組むことによって、それぞれが大量の中途採用をしなくても、企業間での意見交換等を通じて社外の視点を取り込むことができるのではないかと考えました。

●「はたフル」は今後、どういった展望を考えていますか?

広島県という地域で一体となって、誰もが働きやすい環境づくりを進めたいと考えていますので、今後は、より多くの県内企業の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと考えています。

この10月からはグループワークで得られた発見を形にした制度を試行し、2025年度以降は、賛同いただける県内企業の方にも広くジョインいただけるような基盤をつくっていきたいです。